どうも、しんじです。皆さんはレイズはどのような目的で行っていますか?
今回は、テキサスホールデムポーカーでのレイズの3つの目的と、レイズ金額の決定原理についてまとめておきたいと思います。
以下の内容は「ステップアップポーカー」というポーカーの戦術書の内容をまとめたものです!
レイズする理由①:情報を得るため
レイズせずに、リンプインした場合
ゲームの参加時にレイズではなくリンプインした場合、対戦相手のハンドに対して情報が得られず、不確実な状況から進展しなくなってしまいます。
具体的な状況をいくつか見ていきたいと思います。
レイトポジションからリンプインした場合
レイトポジションでAQoをリンプインし、BBがコールしたとします。この時にBBのハンドに対してどのような情報が得られるか考えます。得られる情報は以下の通りです。
- BBがリンプインに対してレイズしなかったので、AA、KKではないと思われる。
- BBは、ほぼすべてのハンドでチェックされることが考えられる。
結局、相手のハンドについて情報はかなり少ない状態です。なぜかというと、リンプインしたことによって、相手にゲームに参加するかしないかの決断を強要できていないからです。
アーリーポジションからリンプインした場合
アーリーポジションからリンプインした場合を考えます。この時、相手のハンドについてどのような情報が得られるかですが、以下のようになりそうです。
- 後ろからコールして、あなたと同様にリンプしてきた相手は、AA、KK、AK以外の広範囲なハンドが考えられる。
- あなたがリンプインした結果、他のプレイヤーもリンプインし始め、多くのリンパーが現れて多人数ポットになる。理由は大きな金額ポットに、安く参加できるため。すべてのリンパーのハンドレンジついては、完全な屑手以外すべて考えられる。
- なんのハンドの情報もない相手が、常に自分より良いポジションを持っている。
アーリーポジションからリンプインすることで、自分のハンドがどのあたりの強さなのか、そもそも相手のハンドはどうなのか、まったくわからなくなってしまいます。
レイズをしていった場合
レイズすることによって相手に自分のハンドについての決断を迫ることができ、相手のハンドを絞り込むことが出来ます。
具体的な状況を見ていきたいと思います。
レイトポジションからレイズした場合
レイトポジションからレイズして、BBがコールしてきた場合について考えます。
おそらく相手が持っているハンドは72oということはありません。上位25-50%のハンドでしょう。これだけでも相手のハンドレンジをかなり絞ることができます。
アーリーポジションからレイズした場合
アーリーポジションからレイズして、レイトポジションの相手にコールされた場合を考えます。
あなたがアーリーからレイズしているので、強い手を持っているかもしれないと、相手は理解しているはずです。
それでも相手がポットに参加してきているということは、相手の手も強いことが考えられます。おそらく上位5-20%のハンドでしょう。
アンダーザガンからのレイズに対しての相手の対応
最初のポジションでレイズして、2番目、3番目のポジションからフラットコールしてきた場合を考えます。おそらく対戦相手にはAA、KK、AKといったハンドを持っていないだろうことがわかります。
なぜならこの場面で相手がもしAAを持っているとしたら、リレイズすることで、それ以降のプレイヤーにゲームへ参加させたくないと考えるからです。
アーリーポジションからのレイズに対してオーバーコーラーが現れた場合
アーリーポジションでレイズし、もし誰かがコールして、さらにその後コールしてきた人がいた場合を考えます。
このオーバーコーラーのハンドは、先にコールした相手より強い場合が多いです。しかしAA、KK、AKといったハンドほど強くはありません。これらのハンドだったらリレイズしてくるからです。
もしリンプインして、相手のレイズにコールしたとしたら、最初にオープンレイズした場合よりチップは多く必要になります。つまりオープンレイズすることに安くでたくさんの情報が手に入るということです。
レイズする理由②:ゲームへの参加者を減らすため
「低いスーテッドコネクター」「スモールペア」などの、どんなハンドであっても相手の人数が少ない方が、自分がベストハンドである確率は高くなります。
ゲームへの参加者とAAの勝率の変化
AAはプリフロップでは最強の手札です。AAの勝率の変化は以下の通りです。
- ヘッズアップの場合 勝率80%以上
- 3人の場合 勝率70%
- 4人の場合 勝率60%
- 5人の場合 勝率50%以下
つまり複数人を相手にすることで、AAであっても50%以下の勝率になってしまうことがあります。
AAでリンプインした場合
AAでリンプインして、ボードが4d-5d-6sというウェットなボードの場合、相手がオールインしてきたら、ほとんど負けているといっていいでしょう。なぜならリンプインしているため、相手のハンドのレンジが広すぎるからです。
AAでレイズした場合
AAでレイズして、相手がコールしてきた場合を考えます。4d-5d-6sのボードが開かれたとき、相手がオールインしてきました。ここで相手のハンドを具体的に考えてみます。
まず、ローカードのツーペア、もしくはストレートドローは可能性としては薄くなります。レイズしているために、そのようなハンドを持っていたら、プリフロップでフォールドしている可能性が高いからです。
それよりも可能性があるのはオーバーペアか、フラッシュドローです。もしかしたらセットになっているかもしれません。
レイズする理由③:主導権をとるため
テキサスホールデムではベストハンドを持っているのが大切なのではありません。アグレッシブにベットやレイズをして主導権を握り、相手にフォールドさせることが大切です。
ホールデムのハンドのほとんどはヒットしません。ヒットしていなくても、ベットしてフォールドするというプレイが大半です。
主導権の重要性
AJ対AJのような同じハンドの場合
AJ対AJのような同じハンドで考えると、主導権の重要性が理解できます。
例えばボードにQ-9-2というフロップが落ちた場合を考えます。お互いにヒットしていません。ですが最初にベットしたプレイヤーがいたら、一方のプレイヤーは降りてしまうはずです。
主導権を持つことでポットを獲得する
基本的に67%の割合でフロップをミスします。それは自分もそうですし、相手もそうです。
その時にポットを得るためには、自分がオリジナルレイザーとなり、C-betを打って、相手をフォールドさせるのが基本的な方法です。
プリフロップでのレイズ金額決定原理
レイズ額は2.5BB-5BBの間ぐらいが妥当です。
それよりも小さいレイズ金額だとレイズの目的である「情報を得ること」「相手の数を絞ること」「主導権を握ること」を達成できなくなってしまいます。
逆に5BB以上にあげると数学的に利益を出すために必要な勝率が上がりすぎることになります。
レイズの目的である「情報を得ること」「相手の数を絞ること」「主導権を握ること」の3つを達成するためには、少なくとも2.5BBは必要です。
そしてレイズの金額をあげることによって、レイズの役割は達成されやすくなりますが、数学的なプレッシャーが強くなり、より高い頻度で勝たないと利益が出なくなります。
必要な勝率の計算の仕方
コールするのが確実な良いハンドを持っている時
あなたはTTというハンドを持っていて、ビッグブラインドの3倍にレイズしようとしています。
テーブルのチップの考え方
ポットにはBBが2枚、SBが1枚の合計3枚のチップが入っています。
ここが大切なところですが、TTのようないいハンドの場合は、コールするのは確実です。なので、すでに2枚のチップをポットに入れていると考えていいことにします。
つまりテーブルのチップはすでに5枚あると考えてよいわけです。
プリフロップのレイズの考え方
BBの3倍にレイズするために6枚のチップを入れることになります。ですが、先ほど言ったようにTTというハンドなら、コールは確実にしますよね。なのでコール分の2枚を引いた、4枚のチップを追加でポットに入れることになります。
テーブルのポットには5枚のチップが入っていて、4枚のチップを新たに追加でいれると、ポットに対して5対4のオッズができたことになります。
この値段のこのレイズで利益を出すには、ジャストコールした場合と比較して、45%以上の割合で勝つ必要があります。
この45%という割合は、結構簡単です。このTTというハンドの強さ、ヘッズアップの状況、相手よりいいポジションの場合、オリジナルレイザーが勝てる割合は軽く60%以上あるからです。
コールさえしたくない屑手を持っている時
72oのようなコールさえしたくない手の場合に、BBの3倍にプリフロップレイズしようとしている場合を考えてみます。
テーブルのチップはBBとSBの分で3枚あります。
先ほどのTTのハンドの場合であれば、コールするのが当たり前なので、2枚のチップをテーブルのチップと考えてもよかったです。しかし今回は屑手の72oです。
この場合は、ポットにある3枚のチップをとるために6枚のチップをかけることになります。オッズは2対1になってしまい、3分の2の割合でハンドに勝てるという確信がなければ、レイズが正当化されません。
TTの場合だと45%よりも高い確率で勝てればよかったですが、72oでレイズする場合は、ブレークイーブンに達するだけでも67%の勝率が必要になります。
しかし絶対に屑手でレイズしてはいけないわけではありません。状況がよく、もし勝てそうならばレイズしていいのです。
レイズ金額の大きさと必要勝率
プリフロップにおいて、TTのような手でBBの3倍へとレイズする場合には、勝つチャンスが45%は必要だという説明をしてきました。では何倍までレイズの金額をあげてもいいのでしょうか。
今回考えるハンドはTTのようなコールは絶対するような手だとします。
BBの4倍の場合
もし4倍にレイズした場合、8枚のチップいれることになります。先ほどのように2枚のコールの上に、6枚の追加チップを入れることになります。
つまりテーブルの5枚のチップを得るために、6枚のチップを入れることになります。よって必要な勝率は55%です。
オリジナルレイザーの勝率は基本的に66%以上あるので、まだ問題ないレベルだと言えます。
BBの5倍の場合
同様に5倍にレイズした場合、10枚のチップを入れることになります。先ほどと同じように2枚のコールの上に8枚のチップを追加します。
つまり5枚のチップを得るために、8枚のチップを入れることになります。よって必要な勝率は60%を少し超えるくらいになります。
BBの6倍の場合
同様に計算すると必要勝率は67%になります。オリジナルレイザーが勝つことが出来る割合が67%なので、収益はブレイクイーブンになります。
つまり自分自身のハンドへの数学的なプレッシャーを最小限に抑えると同時に、レイズで達成すべきことを達成できるような額をレイズする必要があります。
まとめ
ということで今回はレイズの基本についてまとめました。レイズするときの目的は「情報を得るため」「人数を絞るため」「主導権を握るため」です。
そしてこれらの目的を達成するための最低のレイズの金額を常に考えてレイズするということが大切です!無意味に大量のチップをさらす必要はありませんもんね!