嘘とごまかしの行動経済学ー不正が起きる理由を説明する合理的犯罪モデルを検証するー

どうも、今回ですが「嘘とごまかしの行動経済学」と言う本を読んでいます。

文庫本ですが、結構ボリューミーで面白い内容が書いてあるので、その内容を備忘録的にまとめておきたいと思います。今回は第1章の内容の自分なりのまとめです。

嘘とごまかしの行動経済学ー不正が起きる理由を説明する合理的犯罪モデルを検証するー

合理的犯罪モデル(SMORC)とは

まずなぜ不正が起きるのかと言うことを考えます。

不正が起きる理由を説明するモデルとして、合理的犯罪モデルがあります。これは不正が起きる理由を説明するひとつのモデルで、この考え方は3つの基本要素からなっています。

  1. 犯罪から得られる利益の大きさ
  2. 犯罪を犯した結果、捕まる確率の高さ
  3. 捕まった場合に予想される処罰の度合い

すなわち犯罪を犯す人間は、犯罪を起こすことのメリットとデメリットを天秤にかけて、犯罪や不正をした方がメリットが大きいと判断すれば、犯罪を実行に移すのだと言うモデルです。

果たしてこれが本当かどうかと言うことを検証していきます。ネタバレになってしまいますが、様々な実験でこの合理的犯罪モデルを検証した結果、「合理的犯罪モデルでは説明できないことが多々ある」と言うことがわかりました。

報酬を増しても、ごまかしは増えない

では合理的犯罪モデルで説明できないこととは具体的に何なのかと言うと、不正をして、今まで以上に大量の報酬を貰えるようになったとしても、不正の量は増えないことがわかったことです。

また報酬が最も高い時には、むしろ不正の量は減少することがわかりました。もし不正が合理的犯罪モデルで説明できるのであれば、報酬が上がれば上がるほど不正の量は多くなるはずです。

つまりこの実験結果からわかったことは、不正は合理的犯罪モデルの結果、行われるわけではないと言うことです。

報酬が多くなっても不正の量が増えなかった原因としては、おそらく不正をした際に、貰える金額が大きくなりすぎると、自分の正直さに満足できなくなってしまうことが大きな理由ではないかと推測されます。

見つかる確率が高まっても不正は減らない

こちらも実験方法の詳述は避けますが、不正が見つかる確率が高まったとしても、不正の量は減らないことがわかりました。

つまり人々は不正をする際、不正をして目立ちたくないと言う懸念にはあまり影響を受けないことがわかりました。

これらの実験結果から言えることは、人は自分が違和感を覚えない範囲で不正を行うと言うことです。つまりそこそこ正直な人間であると言う自己イメージを保てる水準までで不正を行うことがわかりました。

MEMO

私たちの行動は自分を正直で立派な人物だと思いたいと言う気持ちと、不正をすることでできるだけ利益を得たいと言う思いがあり、それらは互いに相反しています。

言い換えるなら私たち一人一人が絶対的に罪深くならない程度にごまかしをする、自分なりの限界を定めていると言うことです。

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