どうも、今回も嘘とごまかしの行動経済学の内容について備忘録的にまとめておきたいと思います。
嘘とごまかしの行動経済学〜現金からの距離が離れれば不正は増える〜
現金から距離が離れると不正が増える
まず結論ですが、現金からの距離が離れると不正が増えるということがわかっています。
具体な実験については、次のような方法です。まずある学生寮の冷蔵庫に、コーラを何本か、あとは現金1万円をお皿にのせて入れておきました。
そのまま数日おくとどうなるかと言うと、コーラの方はどんどんなくなっていきますが、お皿にのせた1万円はなくなることはありませんでした。
この実験から言えることは、現金からの距離が離れれば離れるほど、無断で冷蔵庫の中身を持って行ってしまうという不正が起こりやすくなると言うことです。
例えば今キャッシュレス化が進んでいますよね。当然キャッシュレス化が進めば、現金との距離が開いて行ってしまいます。これは不正が起こりやすくなることに拍車をかけているとも言えます。
逆に現金との距離を縮めることができれば不正は起こりにくくなる可能性があると言えます。
不正を減らす意外な方法
不正を減らす意外な方法ですが、不正が起きそうな場面の前に道徳的な行動を促すような宣言をしてもらうことが有効だということがわかりました。
例えば、決算報告の前に聖書に手をおいて私は嘘をつきません、不正はしませんと宣言してもらうといった類のことです。たったこれだけですが、本当に不正の数が減ったようです。
例えばトイレにいつも綺麗に使っていただいてありがとうございます。というような張り紙がありますよね。それも同じ効果を狙っています。あの張り紙を貼っておくだけで、綺麗に使ってくれる確率が高くなるということですね。
だから経費報告書を記入する直前に、私はここに書いたことが正しいことを誓いますというような旨の署名を求めることで効果があるということですね。
不正についての正しい認識
おそらくですが社会の犯罪を減らす方法は警察官を増員して違反者に厳罰を課せばいいとたいていの人が考えます。しかしこれらの解決策のどれも効果があるという確証はほとんど上がっていないというのが現状です。
不正を起こしたいという誘惑を感じたその瞬間に道徳規範を思い出させるという方法が不正行為を減らすことに絶大な効果があることがしめされています。。
不正の動機となるのは主に個人のつじつま合わせ係数であって、合理的犯罪モデルはないことを認めることが大切です。
また犯罪を減らすには人が自分の行動を正当化するその方法を変えなくてはいけないことです。特に利己的な欲求を正当化する能力が高まると、不正が起きやすくなってしまいます。