どうも、しんじです!以前ナチ・ドイツのホロコーストから生き延びた心理学者であるヴィクトール・フランクルが書いた「夜と霧」という本を読みました。
「夜と霧」を読み終わってからなんですが、「ナチ・ドイツとはいったい何だったのか」ということについて興味が出てきたんですよね。
そこで今回、石田勇治さんが書いた「ヒトラーとナチ・ドイツ」という本を読んだので、本についての内容と感想をまとめておきたいと思います。
書籍ヒトラーとナチ・ドイツについて
2015年に石田勇治さんが書いた本です。ヒトラーの出生から、ナチ党が崩壊するまでを広く浅く網羅的に書かれている本です。
内容紹介引用
ヒトラーはどのようにして大衆の支持を得て独裁者となったのか。安楽死殺害やホロコーストはいかにして行われたのか。その歴史を知るための入門書である。
ナチ体制は暴力的な専制統治ではなく、多くの国民を受益者・担い手とする「合意独裁」を目指した。最新研究を踏まえて未曽有の悪魔の時代を描く。
ヒトラーとナチ・ドイツの内容紹介
この本ではヒトラーとナチ・ドイツの変化を時系列に沿って、描いています。本の構成は以下のようになっています。
- ヒトラーの登場
- ナチ党の台頭
- ヒトラー政権の成立
- ナチ体制の確立
- ナチ体制下の内政と外交
- レイシズムとユダヤ人迫害
- ホロコーストと絶滅戦争
ヒトラーの登場
ヒトラーは30歳まではごく普通の青年でした。しかしあるきっかけで、政治の世界に身を投じ、ナチ党の党首となって右翼運動をリードするようになります。そこまでの経緯が描かれています。
ナチ党の台頭
ヒトラーは、あることがきっかけで、犯罪者としてとらえられてしまいます。普通であれば、そのまま政治に帰ってこられないことも多いのです。
しかしヒトラーは投獄されたことをうまく利用し、結局ナチ党を全国に展開させていきます。ヒトラーが出獄してから、ナチ党が国会で第一党に躍進するまでの過程が描かれています。
ヒトラー政権の設立
国会の第一党になったとはいえ、議席の3分の1程度しか占有できなかったナチ党の党首が、なぜドイツの首相になることができたのか。ヒトラーが首相になったカラクリが描かれています。
ナチ体制の確立
首相となったヒトラーがどのようにして揺るがない権力基盤をつくり、絶対的指導者になっていったのか。キーポイントである「授権法」成立と、社会のナチ化について書かれています。
レイシズムとユダヤ人迫害、ホロコーストと絶滅戦争
ナチ時代のドイツでなぜユダヤ人の大虐殺が起きてしまった理由が描かれています。
またホロコーストの歴史的な背景と、反ユダヤ主義、優生思想の発展を検討しながら、未曽有の国家的メガ犯罪に帰着した経緯を描いています。
ヒトラーとナチ・ドイツを読んでの感想
ナチ・ドイツについて知りたいならこの本
入門書と書かれているだけあって、ナチ・ドイツのことについて、幅広く総論的に書かれています。ヒトラーの出生から、その終わりまでを時系列にそってシンプルに描いているので、わかりやすかったです。
いい意味で、内容が広く浅いので、より深く知りたい場合は、また別の本を読む必要があると思います。
ナチ・ドイツの怖さと異常さがやばい
ヒトラーの用いる手法の悪質さ、狡猾さには、すさまじいものがあり、読んでいて怖くなりました。
敵対するものを文字通り「排除」していくことによって、完全に権力を掌握していく過程には、ヒトラーの並々ならぬ執念を感じます。
またヒトラーの汚い部分は巧妙に隠され、あることないことを勝手に作り上げたメディアの情報に国民は踊らされた結果、ほとんどのドイツ国民がナチ・ドイツを容認してしまうんですよね。
別にドイツ人だからこうなったということはないと思ったので、他人ごとではないな感じました。
政治的な知識があるとなお読みやすい
ぼくは、ほとんど政治的な知識や世界史の知識がありません。わからないワードが出てきたらググりながら、本を読んでいたため、よみすすめるのには、かなり時間がかかりました。
プロパガンダ、シオニズム、フォルクスゲマインシャフトなどなど、言葉の意味がよくわからないものが多く出てきました。
おそらく政治的な知識や、世界史の知識があると、もっと読みやすいのではないかなと思いました。
まとめ
今回はヒトラーとナチドイツを読んでの感想をまとめました。ヒトラーのことやナチドイツのことを一通り学ぶにはおすすめの本です!
そしてこの本をよんで、ユダヤ人が大量に虐殺されたドイツの過去は、恐ろしいものだな感じました。いまだに、ドイツではヒトラーの著書「我が闘争」は禁書として扱われているんだそうです。