今回は、やり抜く人の9つの習慣という本に書かれている「やり抜く力を持つ」という章の内容について簡単にまとめておきたいと思います。
グリットと言われるやり抜く力がないという人でも安心してください。グリットは身に付けることができます。
やり抜く人の9つの習慣:やり抜く力を持つ
最近グリットという言葉が注目されています。グリットとは、困難に屈せず、長期的な目標達成に向けて全力を尽くす力のことです。
ちなみにグリットを持つ人は、大学入試でも高い点数をとり、教育水準も高いことがわかっています。また厳しい訓練に耐えられるかどうかなどの指標としても使えます。
もし現時点で「グリットなんて持ってない」というのでも、何の問題もありません。このグリットは後からでも身に付けることのできる力だからです。
改めてになりますが、成功のためにやるべきことはシンプルです。それは努力する事、戦略を練る事、計画を立てる事、そして諦めない事で、けして生まれつきの才能や資質は関係ないです。
固定的知能観と拡張的知能観
私たち人間は、自分の知能に関して2つの考え方のどちらかを持っていると言われています。
ひとつは固定的知能観で、もうひとつは拡張的知能観です。
固定的知能観とは、個々の知能は生まれ持った資質によって固定されているという考え方です。言い方を変えると、知的能力は生まれた時にある程度決まっていて、個人の努力ではどうしようもないという事です。
ちなみに固定的知能観の考え方は、間違っていることが研究からわかっています。人の知能は努力次第でいくらでも伸ばせます。
続いて拡張的知能観についてですが、これは固定的知能観とは真逆の考え方です。拡張的知能観とは、能力は経験や努力を重ねることによって高めることができると考える立場です。
これまでの様々な研究から、この拡張的知能観の考え方が正しいことがわかっています。
しかし、ここで大切なポイントがあります。それはグリット(やり抜く力)が不可欠だということです。
やり抜く力を支える拡張的知能感
そもそもグリットという言葉は、長期的目標に向かうときの粘り強さとやる気を意味しています。
ちなみにスポーツ、音楽、数学、発明…どの分野においても、成功した人は数千時間にわたって目的に沿った練習を地道に続けていることが、これまでの研究から明らかになっています。
こうした地道な努力を可能にしてくれるのがグリットです。
何かの目標に向かっていれば、うまくいかないことが必ず起こります。その時にあなたはそれを何のせいにしますか?起きてしまったものはしょうがないとしますか?それとも自分の責任ですか?
ここで先ほどの固定的知能感と拡張的知能感の話が出てきます。
固定的知能感を持つ人は、うまくいかないのは自分の能力がないからだと考えます。結果として彼らは物事に取り組むのをやめてしまいます。早々と見切りをつけて自分はこれ以上やっても無駄だと結論づけてしまいます。
一方で拡張的知能感を持つ人は、「計画の立て方が甘かった」とか「サボってしまった」など自分の努力や行動のせいにします。この結果、困難な状況でも努力を続けることができるのです。
自分でコントロールできることに原因があると考えれば、成功は自分の頑張り次第だと信じることができるからです。こうした態度が大きな成果につながります。
自分の成長に不安を覚える人
最近の研究でわかってきたことですが、固定的知能観の人は自分や状況をよくしようという考えに不安を抱いていることがわかってきました。
なぜかというと固定的知能観とは努力して自分や状況をよくする事はできないという考え方だからです。つまり自分の成長すら不安を駆り立てる原因になってしまうという事です。これによって業績や成績に悪影響を及ぼすことがわかっています。
素晴らしい成長の機会に恵まれたとしても、成長することができないと思い込んでいれば、実際に成長する事はありません。まして、やり抜く力を発揮することもできません。
人は変わることができます。どんな能力でも努力次第で高めることができるのです。この事は心理学の研究でもはっきりとわかっています。
だからこそ、今度「私にはできない」と言いたくなったら、こう言い換えてください。「今の私にはまだ無理」だと。